肥満
はある日突然やってくるものではありません。よく『肥満は習慣病だ』というように、普段の生活の積み重ねが、肥満につながっていくわけなんです。そんな体を太りやすくする習慣のひとつに、夜型生活の習慣があげられます。

人間には生体リズムというものがあります。これは脈拍や血圧などが、約24時間周期で、昼は働きやすいように高く、夜は眠りやすいように低くなるもの。このリズムを刻んでいるのが、脳下垂体視床下部にあるといわれている、体内時計です。夜中起きていたり、昼寝ていたりしても、すぐに体が壊れたりしないように、24時間プラスマイナス4時間のアバウトな時計。この中で生活していれば問題は起こりませんが、生体リズムに反した生活を続けていると健康を害してしまうといわれています。そして太ってしまうのはそのひとつの現われともいわれています。


もちろん夜遅くまで起きているというだけで、太るというのではなく、問題は食事との関係。夜型の生活を続けていると、朝は当然遅くなり、食事を抜いてしまうことに。朝食抜きで、夜遅く食べるという習慣が、肥満につながっていくわけです。

生体リズムの関係で、昼は自律神経のうちの交感神経の働きが優位になるため、胃の活動が活発になり、消化・吸収が進みます。逆に夜は副交感神経の働きが優位になるため、栄養を体内に蓄積しやすくなるのです。

つまり、昼と夜に同じものを食べても、夜のほうが太りやすい状況にあるということ。さらにホルモンの影響で、昼間は食べたり蓄えたりしたものを分解して、日常生活が活発にできるようにする異化作用が亢進するのに対し、夜は、蓄積しようとする同化作用が亢進されます。朝食を抜くと、この同化作用が眠っている間から昼間で、ずっと続いてしまうことに。

そして、朝食を抜くという1日2食の生活は確実に太る原因となります。空腹時間が長くなると、次にいつ食べ物が入ってくるかわからない、という飢餓状態になり、食事をしたときにエネルギーを吸収しようという働きが活発になるから。

また、毎日決まった時間に規則正しく3食食べる、ということも、やせやすい体をつくるために重要なポイントです。決まった時間に食べる、起きる、寝るという習慣を身につけることが、体内時計を正常に整えることにもつながるからです。

このように太ってしまう要因がたくさんある、夜型生活。夜型から朝型に変えてもすぐにやせる効果があがるわけではありませんが、基本的に今までと同じ量を夜ではなく、昼に食べるだけでも、太りにくい体質になれるとも。だとすれば夜型の生活習慣を変えてみるだけでも、ダイエットの効果はありそうですね。

※そして最新の情報でとても興味深いニュースがあったので追記します。

睡眠不足は肥満につながる――このような研究論文が2012年5月10日、仏リヨン(Lyon)で開かれた欧州肥満症会議(European Congress on Obesity)で発表された。

 リヨン大学(University of Lyon)のカリーン・シュピーゲル(Karine Spiegel)博士率いるチームの論文によると、睡眠時間が不十分だと、満腹感をつかさどるホルモンの働きが妨げられ、食欲を刺激するホルモンが分泌されるため空腹感が25%増加する。

 カロリー換算では、睡眠時間が減るとカロリー摂取量が1日350~500カロリー増える計算になるという。

 研究では、肥満や睡眠時間に関する様々な研究を幅広く調べた。結果は子どもや若年層により当てはまるという。論文は、夜の睡眠時間を長くするといった簡単な方法で、慢性的に睡眠不足な若者たちの肥満を防ぐことができると結論づけている。

 成人の場合、健康的な睡眠時間は7~8時間で、6時間以下は睡眠不足とされる。(c)AFP

夜型生活だけでなく、睡眠不足によっても肥満を招くというわけなんですね。